使用したガイガーカウンターは、ウクライナ製のMKS-05 TERRAという機種で、ベータ線の測定もできるタイプのものです。その仕様についてはこちらをご覧下さい。
東京都主体で6月20日におこなわれた、新町小学校と第五小学校の校庭の放射線量測定値は、次の通りでした。
(単位:マイクログレイ/時間)
新町小学校 地上5cm 0.06
100cm 0.05
第五小学校 地上5cm 0.05
100cm 0.04
<東京都が使用した機器の仕様>
シンチレーションサーベイメータ日立アロカメディカルTCS166
測定線種:ガンマ線
放射線センサー:エネルギー補償型
最小測定単位:0.01
測定誤差範囲:最大目盛(切り換え可能)
0.3、1、3、10、30(μGy/h)±15%以下
今回の私たちの測定値は、東京都が測定した値と異なる傾向を示しましたが、その理由として考えられる要因について記します。
■本来、グレイ(空気中に吸収されたエネルギー量)とシーベルト(人への影響単位)は単位が違う。グレイをシーベルトに換算する場合には、「安全係数」をかける必要がある。国は、福島第一原発震災以降、緊急対応として1グレイ=1シーベルト換算でいいことにしてしまっているため、測定器の表示単位がシーベルトとなっている一般のガイガーカウンターでは、都が使用した測定器に表示される値の約1.5倍くらいの値で表示される。これをふまえて、東京都発表の数値を見る必要がある。
■ガイガーカウンターの中には、ベータ線も捕捉できるタイプのものがあるので、その場合、ガンマ線のみの測定より高い値が出る。
■雨天の場合、高めの値になる。
以上のような点を踏まえて、私たちの測定結果の数値を参考にしていただければ幸いです。
また、東京都が市区町村に貸し出す測定機種は、DoseRAE2 PRM-1200 というもので、こちらも測定線種はガンマ線のみですが、積算量の測定可能なタイプで、表示単位もマイクログレイではなく、シーベルトであることから、TCS166による測定値よりやや高めの数値となることが予想されます。
asahi.comの2011年3月15日の記事には、以下のような記載がありました。
「各都道府県の通常の平均は毎時0.025マイクロシーベルトから毎時0.15マイクロシーベルトぐらいで、国内でも地域によって数倍の差がある。日本平均は毎時0.05マイクロシーベルト。世界にはその10倍以上の高自然放射線地域もある。」
私たちにとって、数値の測定が目的なのではありません。あくまでも、自分たちが住み、生活する青梅市の放射線量について現状を受け止め、必要に応じて対策をすすめることを支援するという趣旨です。
また、成人に比べて細胞分裂が活発な子どもたちへの影響は大きいものがあります。子どもへの影響を不安に感じながらも、何をどうすればいいのか迷い悩む保護者のために、測定とあわせて放射能汚染に関する学習会を開催する予定です。