◆謹賀新年◆ 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます

今を生きる者の責任を果たしていきたい

成人式の会場である青梅市立総合体育館前に集う若者たち。
成人式の会場である青梅市立総合体育館前に集う若者たち。
 1月も中旬に入ろうかというここ数日間、この冬一番の寒波が到来しました。青梅市行政メールでも、朝方は、路面凍結の恐れがあり、車やバイク等での外出をできるだけ控えてほしいという要請があったほどです。昼頃には雪が降りました。
 
 そのような中、11日には成人式がとりおこなわれました。今年の青梅市の新成人は、1541人。(男子807人 女子734人)どんよりと曇った冬空をものともせず、開式の時間が迫っても中に入らず、幼い頃共に過ごした同級生との旧交を温めていました。
 今年の成人は、平成元年と2年生まれの若者です。当時の官房長官だった小渕さんが、「平成」と書かれた額縁を見せながら新しい元号の発表をおこなったあの記者会見…あの年に生まれた赤ちゃんたちが、もう二十歳です。時の流れは本当に早いもので、その20年間のうちに、社会も大きく変化しました。

 新成人の彼、彼女らの多くが生まれた1989(平成元)年には、ベルリンの壁の崩壊(冷戦構造の終焉)、天安門事件がありました。その中国も、今や年10%前後の経済成長率を続け、新興国の中でもトップを走っています。内閣府が昨年末に公表した2007年度の国民経済計算によれば、日本の国民1人当たりの国内総生産は19位。世界第3位といわれていたのは2000年のことで、それ以降は下降を続けています。バブルのさなかに生まれ、小学生でバブルの崩壊、思春期以降、グローバリゼーションと広がる格差の中で成長してきたのが彼、彼女らということになります。

 高校卒業生の就職率が60%とか。日本だけがひどい状況にあるわけではありませんが、経済不況によって生活がダメージを受ける度合い、それでも笑顔で生きられるかの度合い、お互いに助け合える社会であるかの度合いは、国によって様々ではないでしょうか。
 相対的貧困率15.7%(2007年数値)、子どもの相対的貧困率14.2%。OECD加盟国30ヶ国の中で、4番目に高い数値という日本。自殺者が11年も連続で3万人を超える国日本。さらに、国と地方合わせて約780兆円もの借金がある国日本。かつて一億総中流と言われた時代もありましたが、現実を受け入れ、助け合っていくしかない社会になりました。

 彼、彼女らのあとを追いかけ、10年後20年後に成人となる子どもたちの、その未来が今より少しでも良くなることを祈りながら、今を生きる者の責任を自覚し、「よき市民」としてしっかり生きていってほしいと願っています。

 そして、それはそのまま、彼、彼女らより先にこの世に生を受け、社会の構成に関与してきた「大人」として、私たち自身にも厳しく問い続ける必要があるのではないでしょうか。

 皆さまのこの一年の幸福を心から願い、念頭のご挨拶に代えさせて頂きます。